マーケティング入門*普及学

普及学

 

普及学とは
新しいアイデアやテクノロジーが

 

 

社会全体になぜ普及するのか、
どのように普及するのか、
どれくらいの割合で普及するのか

 

を説明する学問です。

 

 

スタンフォード大学コミュニケーション学の教授
エヴェレット・ロジャースの本
「Diffusion of Innovations」
(イノヴェーションの普及)の中で紹介されました。

 

 

ロジャースの説明によると、
イノヴェーションは
社会システムの参加者たちの中で
伝達されていくそうです。

 

 

1960年代の思想ですが、
その後この理論は
「イノヴェーター理論」として
マーケティングの分野でも取り入れられるようになります。

 

 

普及という現象を表すには4つの要素によって決定されます。

 

 

イノヴェーション自身
伝達媒体
時間
社会システム

 

 

普及現象は人的資本に
強く依存しながら進行していきます。

 

 

普及は順を追って5つの層に浸透していきます。

 

イノヴェーター
アーリーアダプター
アーリーマジョリティ
レイトマジョリティ
ラガード

 

イノヴェーター理論における5つの層

 

イノヴェーター(Innovators=革新者)
市場全体の2.5%程度。
リスクを取って新しいアイデアや技術を進んで取り入れる人。
年齢は若い傾向にあり、社会的な地位も高い、または経済的にも豊か。
社交的で他のイノヴェーターとのコミュニケーションも行う。
科学的なデータに基づいた情報を取るのが容易か、そういう情報に接する環境にいる。

 

 

アーリーアダプター(Early Adopters=新し物好き、革新者のフォロワー)
市場全体の13.5%程度。
イノヴェーターの次に新しいものを採用する人たち。
進んで情報収集を行い、流行を掴むのが早い。人の意見より自分で判断する人。
オピニオンリーダーとして他の消費層へ大きな影響力を与える存在。
年齢は若い傾向にあり、社会階級、教育レベルは共に高い方。経済的にも豊か。
社交性も高い。イノヴェーターのアイデアや製品を懸命に吟味し、
後のアーリーマジョリティ層へ普及していくための重要な橋渡し的存在。

 

 

アーリーマジョリティ(Early Majority=アーリーアダプターを追う人々)
市場全体の34.0%程度。
一般の人たちよりは少しだけ早くに新しいものを取り入れるが、やや慎重な人たち。ブリッジピープルとも呼ばれる。
新しいアイデアや製品を取り入れるまでに一定の時間がかかる。(キャズムを超えた後)
平均的な社会階級で、アーリーアドプターとの接点役となるブリッジピープル。

 

 

レイトマジョリティ(Late Majority=遅れてきた人たち)
市場全体の34.0%程度。
周囲の大勢の人々が取り入れているのを確認してから新しいアイデアや製品を同じように取り入れ始める。
このカテゴリにいる人は、平均的な人が採用した後にアイデアを採用する。
新しいアイデアや製品が世に出回って来ても懐疑的に捉えている。
平均未満な社会階級が多く、経済的な位置も低め。社会的な影響力も低い。

 

 

ラガード(Laggards=保守)
市場全体の16.0%。
最も保守的な人々。トレンドや世の中の動きに関心が薄く、新しいアイデアや製品が伝統的になるまでは取り入れない。
変化を嫌い、高齢で、伝統を好む。社会的な影響力は極めて低く、社会階級も低く、身内や身近な友人とのみ交流する傾向にある。

 

キャズム

普及のプロセスにおいて、
ある商品やサービスの普及率が
一気に跳ね上がるための分岐点(キャズム)が存在します。

 

 

キャズムはアーリーアダプターとレイトマジョリティの間に存在します。

 

 

キャズムを超えられない
アイデアや製品は、
市場規模が小さいまま消えていきます。

 

 

キャズムを超えたとき、
社会全体にそのアイデアや
製品は普及していきます。